秘湯ブーム

日本では古くから山奥にひっそりとある温泉を求める温泉マニアが多く存在していましたが、その傾向が特に強まっていったのは戦後高度成長期以降であると言われています。

その始まりは、高度成長期の真っ只中、景気の良い会社が社員へのご褒美として温泉宿へと旅行するようになり、一大歓楽地になってしまうにつれて本物の温泉を求める温泉マニアは喧騒から離れた温泉へと足を運ぶようになったわけです。

秘湯という言葉も、この頃から使い始められたと言われています。
1980年代に入ると、巨大な高層ビルで構成されている温泉ホテルや歓楽街を有した温泉地よりも、山奥の素朴な一軒宿を好む傾向が強まりました。
これがいわゆる秘湯ブームの始まりです。
ところが秘湯に一般客が大量に押しかけるにつれ、素朴さを売りにしていたはずの宿も快適な浴室のシャワーや水洗トイレなどの快適な施設が設けられるようになり、古くからの温泉マニアは「俗化してしまった」と嘆いている面もありますが、現在の「本当の意味での」秘湯は、長距離歩かないと辿りつけないような宿ばかりになっているようです。